箱根ラリック美術館
箱根ラリック美術館/仙石原 ルネ・ラリックの生涯と出会うコレクション
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期 間 2009年4月17日(金)〜11月23日(月・祝)
会 場 箱根ラリック美術館 企画展示室

 
右上:ルネ・ラリック作
彫像「タイス(別名、スザンヌモデル2)」1925年

中央:スザンヌ肖像写真1903年 孫娘ニコル所蔵

右下:スザンヌ・ラリック作
プレート「ニコル」1930年

 
 父から学び、リモージュで花開いた娘スザンヌ
 孫娘がいまに伝える美しきテーブルウェアの世界
「祖父ラリックには、愛と芸術性あふれる女性がいつも傍らにいました。」
(ラリックの孫娘、ニコル・マリッチ=アヴィランド)

  ルネ・ラリックの、創造の源となった妻アリス。しかし、女神とも言うべき彼女を病で失うと、彼を支えたのは、まだ17歳の愛娘スザンヌでした。
 ラリックのアトリエには、腕の立つ職人たちが名を連ねていましたが、ラリックは次々と湧き上がるアイデアを、まずスザンヌに語り、率直な意見を求めました。化粧具、花器、そして豪華列車の内装など、ガラスによる多くの名作が、二人の対話によって生まれていったのです。
 スザンヌは、縁あってリモージュ焼の名窯「アヴィランド」家に嫁ぐと、そこで思いのままに色彩も豊かなカップ&ソーサーやディナーセットをデザインしました。そのテーブルウェア総数60点が、今回一堂に会します。のびのびと愉しげなデザイン、愛らしい色彩が、いま私たちに優しい気持ちを呼び覚ましてくれます。
 スザンヌはその後、国立劇場「コメディ・フランセーズ」の舞台から衣装までの装飾を一手に引き受け、90歳を過ぎるまで第一線で活躍し続けました。彼女の尽きる事のない才能は、父ラリックのもとで、一体どのように育まれて開花していったのでしょう。
 今回は監修者として、ラリックの芸術性を受け継ぐ孫娘、ニコル・マリッチ=アヴィランド氏を迎えました。今も親族が大切に手許に置くスザンヌの作品や資料とともに、工芸の巨匠を支え続けた“ラリック家の女神たち”のエピソードを初めて明かします。
 
スザンヌ・ラリック=アヴィランド(Suzanne Lalique-Haviland 1892-1989)
ルネ・ラリックと、妻アリスの第一子。母が17歳の時に他界すると、スザンヌが代わってラリックの制作を支える存在となった。
1917年、リモージュ焼の名窯「アヴィランド」家の子息である、写真家のポール・ビュルティー=アヴィランド(Paul Burty-Haviland 1880-1950)と結婚。これをきっかけに、アヴィランド社のために色彩豊かなテーブルウェアを多数デザインした。
1937年、45歳にしてフランスが誇る国立劇場「コメディ・フランセーズ」の衣装と舞台の装飾デザイナーに抜擢され、後には装飾部長を務めるなど、97歳で生涯を閉じる直前まで、第一線で活躍した。

 
【 出展作品 】
ルネ・ラリックの作品
・彫像「タイス(別名、スザンヌモデル2)」1925年
・花器「パンチエーヴル」1928年
・ブレスレット「踊る女性たち」1904-1906年頃
・ブローチ「二人の女性の半身像」1898-1900年頃 など20点
 
スザンヌ・ラリック=アヴィランドの作品
・ティーセット「鳥かご」1930年 アヴィランド社製
・豪華客船パリ号のための織物「梅の花」1921年(復刻)プレル社製
・油絵「読書するニコルの肖像」1935年
・コメディ・フランセーズの衣装デザイン画 1937年頃 など62点
 
【 監  修 】
・ニコル・マリッチ=アヴィランド
 
【 協  力】
・大村美術館(角館)
・ナタリー・ヤンコヴィッチ(ニコル氏令嬢)
・カトリーヌ・ド・レオバルディ(ニコル氏令嬢)
・ロラン・ダルビス(アヴィランド家末裔)
・プレル社
 
【 協  賛 】
・アヴィランド社
  
     

ルネ・ラリック作
花器「パンチエーヴル」
1928年
(スザンヌのデザインによるラリックの作品)

  スザンヌ・ラリック作
プレート「帆船」のためのデッサン
1929年
アヴィランド社蔵
  スザンヌ・ラリック作
プレート、カップ&ソーサー「五月」
1933年
大村美術館(角館)蔵
 
 

 
 
期 間 2009年4月29日(水・祝)〜7月24日(金)    
会 場

箱根ラリック美術館 2階常設展示室

【 企画展概要 】

 今回、箱根ラリック美術館の新たな取り組みとして、異才のガラスアーティスト高見澤英子を取り上げ、常設展示室のなかでラリックの作品とともにご紹介します。
 ラリックと高見澤英子が共鳴しあうのは、「自然」の中に着想を得る精神性です。繊細な眼差しで見つめた植物を主脈にして、作家のイメージをガラスに置き換えることで生まれるオブジェ。芸術という高い位置ではなく、あくまでも暮らしの中に彩りを添えることを喜びにしている点もラリックと共通しています。
 今回は、高見澤英子の業績をたどるバーナー・ワークの作品に加え、彼女自身がラリックから触発されて制作した新作が発表されます。
 香水瓶から、食器、花器、室内装飾へ、立体そして空間を意識した制作へと幅を拡げたガラス工芸家ラリックを、高見澤英子はどう見つめるのか。彼女の作品が対峙することで、ルネ・ラリックの作品は、より本質的な特徴を明らかにすることでしょう。
 
高見澤英子作「Daphne」2001年
東京国立近代美術館 工芸館蔵
 
高見澤 英子からのメッセージ
 新作「Lands end」はルネ・ラリックと私の共通点を感じながら制作した、ラリックへのオマージュ作品である。ラリックの作品には詩情がある。私の中で詩情と美しいものとは対で結ばれている。私の作品は植物がモチーフとなったものが多いが、私は植物自体より、むしろ植物のまわりの空気に美しさを見いだす。それらが淡々と存在している静けさ、その中にある詩情の美。私にとって作品制作とは、そのような空気を紡いでいくことである。
 ラリック作品の魅力の中に私が感じとったのもまた、その空気感であった。これは作品だけでなく、作者であるラリックという人間自体にも当てはめることができる。私のラリックのイメージは「地の果ての人」。地の果てに淡々と孤独に佇むラリックに「Lands end」という花を捧げよう。
 「アンソロジー」とは詩華集を意味するが、私は今回これを“詩の結晶”として捉えてみた。植物のように、またその花のように、淡々と生きたラリックと詩情溢れる作品たち。それらの詩を自然に感じるまま重ねあわせ結晶化させたイメージ、それが今回の展覧会のねらいである。
 作品「Glass Plants」は、植物を擬人化して人間を象徴したシリーズである。まさに地の果てに佇む人を描いたもので、私自身の心象風景ともいえよう。淡々と制作に取組むことで自分自身をそぎ落とし、無心にまたぼんやりと、なにか普遍的なものを探求している。その普遍的なものが誰の心の中にでもある“美しいもの”に触れた時、人の心は動くのだと私は思う。観る者の視線は常に自然で自由であることを願っているが、人の心の中にある美しいものに触れたいという切実な想いもまた私の中に在るのであろう。
 
高見澤 英子(Hideko TAKAMIZAWA)プロフィール
1969年、埼玉県川越市に生まれる。多摩美術大学デザイン科立体デザイン専攻、ガラスコース卒(1993年)。
1995年より、独学でバーナー・ワークを始め、SUWAガラスの里勤務を経て、1998年に工房設立。ギャラリーで個展開催の後、2004年、東京国立近代美術館工館での“非情のオブジェ 現代工芸の11人”展で脚光を浴びる。
その他、“アルス・ノーヴァ 現代美術と工芸のはざまに”展(2005年、東京都現代美術館)伊勢丹新宿店ディスプレィ (2006年、展示中)、東京ミッドタウン・ガラスコレクション(2007年、展示中)、“現代のガラス展”(2007年、東京国立近代美術館工芸館)、“工芸の力 21世紀の展望”展(2008年、東京国立近代美術館工芸館)などに足跡を残す。その素晴らしい作品たちは、東京国立近代美術館工芸館や東京ミッドタウンにも収蔵されている。

 
【 出展作品 】
ルネ・ラリックの作品
・ペンダント「ガーゴイル」1898年頃
・ティアラ「ジャスミン」 など約20点
 
高見澤英子の作品
・「Daphne」2001年
・「Glass Plants2」2003年
・「Forest」2003年 など約20点
 
【 協  力】
・東京国立近代美術館 工芸館
 
 

 

 
 
 
箱根ラリック美術館 コピーライト